コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ

流星物質(meteoroid)

流星物質の一部が蒸発しないまま地上に落下したのが隕石である。
われわれの身体を構成する元素の存在度には
流星物質の元素の存在度と変わらないデフォルトが支配している。

太陽系の元素組成は
地球の化学組成と太陽系の起源を意味するように
惑星地球での生命現象には
グローバル化による格差の拡大や
自由貿易の敗者を救出する反グローバリズムを形成しない
システムが働いている。

グローバル化には、球体地球主義の限界と境界がある。

流星物質以上のコスミック化は存在しない。
身体という局所は
すでにコスミック化された流星の結果なのである。

メタフィジックス・ドライブ

モデル言語の発見とは、
モデル言語の誕生に立ち会い、その爆発に立ち会う連続的・非連続的プロセスに於いて、
そのプロセス全体から、決定的な概念の破壊と誕生を見極める峻烈な行為である。

『シナジェティクス』のモデル群においてではなく、
モデル言語を内在している最新のモデリングにおいて、
単独者は、新たな概念形成のために行われる
メタフィジックスに立ち合うのでなければならない。

このメタフィジックス・ドライブが
感性的直観が知性には還元不可能な存在へと向かうためのライセンスは不要だ。
そもそも、感性的直観の本源的生産性は教授不可能だから。

局所的グローバリズム

文化は、人間によってデザインされている。
物質や金属を構成する原子は、宇宙的である。
そのテクノロジーは純粋である。

そのテクノロジーは、局所的で近視眼的な習慣を陳腐化するが
人間によって、テクノロジーを意図的に矯正することもできる。

1930年代、電気自動車の開発に成功した後から
内燃機関のガソリンエンジンを開発したのは、石油資本である。

消費者の思考形式を長期的に矯正してきた
グランチの独占への思考形式は、局所的で近視眼的で同族的である。

正常化された方法

正常化された学習方法にはじまり、
正常化された経済や生活技術に関わるすべての専門家は、
バランスの取れた人間像に基づいて人間を教育し管理している。

正常化された学習方法で認識する人々が
シナジェティクスの認識過程の秩序化に嫌悪感を抱くのは
シナジェティクスが、
群れの中でバランスの取れた個性化された人間像を作り出す
知と権力による浸透力を、
最初のシナジェティクス・モデリングから
否応なく反映させるからである。

認識過程の特殊な場合における
峻烈な秩序化こそが、矯正されないデフォルト人間像を生成する。

シダと風

梅雨がやって来る前に
森で小さな焚火をして、コーヒーを沸かしていたら
宮島の弥山周辺の巨石群に生えている
美しい垂直な岩草原を想いだした。
五月の一つ葉シダが群生して、海からの風を写し取っていた。

幻の宮島シダを幾度も探していた10代の頃の
その巨石群の頂上での瞑想は、絶えず<緑の風>に満たされていた。

あの巨石群に、ふたたびコスモグラフィーに連れ出す
垂直な<緑の風>が吹いている。

この瞬間に、太陽が黄道上でプレアデスと重なっている時空さえも。

方法と構造

生存一般を限定している諸概念から、
生存方法を解放するために構造を破壊するのは哲学である。

しかし、諸概念が消し去っている生存の可能性に立ち戻らせるために
構造を生成し解放するのは、シナジェティクスである。

構造の恣意性

実践的デザインサイエンスは、
テロ対策の背景にある自由と人権に制限を加える政治的な観念、
さらに、人間の生活に関する普遍的必然という観念に対立する。

シナジェティクスにおける構造の分析とは、構造が持っている恣意性を明らかにし、
実践的シナジェティクスは、
普遍的な構造とパターンにおいて自由な空間をいかに享受することができるかという
デザインサイエンスの領域を共有するだろう。

内部空間の質的変化をさらに生み出すことができるかを明らかにする行為が
建築コードと対立しないまま、例えば、モバイルシェルターを支える構造とパターンも
発見されなかっただろう。

これまで発見された自然の構造が、
人間の独創性から生み出された構造と一致したことがないのは、
ほとんどの構造の恣意性が、間違った独創性への欲望から作られているからだ。

二重の客体化


科学技術は、客体化のための手段とそのプロセスから形成されるが、
服従矯正の手段としても機能する。

冷蔵庫は、第1次世界大戦では、海上での兵站線に不可欠な軍事技術であったが、
第2次世界大戦後に普及した家電となった。

そして、第3次世界大戦(中東戦争)では、
スマートデバイスでのゲームアプリが
兵士の殺戮の恐怖感から逃避する心理アプリとなった。

21世紀のインターネットは、無料の高速通信手段であるが
平時の市民の服従強制のための監視手段として機能する。


対比的な<図>と<地>による二重の客体化では
同時にそれらを認識できない。


われわれの脳は、こうした非同時的な二重の客体化には不慣れである。
生活水準を向上させるテクノロジーは
<人を騙す>テクノロジーに変換され、
脳科学は<脳を騙す>テクノロジーに転用されている。


服従矯正のテクノロジーは、<互いに隔離された見えない群れ>を形成できる。

二極的思考

善と悪のイデオロギー闘争に引きずられる二極的思考は、
無秩序を組織するためのエントロピー思考である。

その思考方法は、生命現象ともっとも効果的に対立できるからだ。

私は、「成長する正20面体」(サイエンティク・アメリカン日本版 1990年9月号)の
シナジェティクス論文で、5回対称性に潜む多中心的で非周期的だが
統合的な秩序の階層構造を発見し証明した。

Growing Icosahedra Yasushi Kajikawa
(この論文とモデルは、1990年からシナジェティクスの編集者アップル・ホワイト氏に
よって管理され、現在スタンフォード大学のバックミンスター・フラーのアーカイブで管理されている。)

二極的思考は、数千年の時間によって矯正されたプログラムである。