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トリムタブ再考

高速戦闘機では、翼の中でも
補助翼(補助翼、昇降舵、方向舵)の3種の舵の
軽量化と表面剛性が優先的に必要である。
零戦の設計では構造重量を軽くするために
翼の一部を羽布張り構造(=飛行機の翼に用いる布)の
表面にしていたようだ。
(8歳の時に、零戦の木製の精密モデルを作成した時に
この軽量化のエンジニアリングにかなり興味があった。)
しかし、高速飛行時には空気という高速の流体で
その羽布の表面が内側に凹んで平滑な曲面が失われ
補助翼はやがてトラス構造から羽布張り部分が
膨らんで破裂する危険性があった。
フレキシブルな表面材による構造のこのような欠点は
トラス構造のテンセグリティ化によって応力外板構造に変換し
軽量化も飛躍的に向上させた上で機体剛性も向上できる。
同じようにテンセグリティシェルターでは
ハリケーンや台風などの激しく変化する高速の風圧に対して
表面が内側に陥没(ディンプル)しないように
シェルターを空力学的に解決し
同時に機体剛性と強度を飛躍的に向上できる。
最大のテンセグリティシェルターのデザイン上の問題は
皮膜材と構造の同時的・非同時的な
人力での短時間によるアセンブル方法とその全コストである。
テンセグリティシェルターは
飛行機と同様に、大気圏を移動するための
効果的な地上用のトリムタブだからである。

モバイルシェルター vs スモールハウス

<スモールハウス>は
単位体積あたりの重量が
ほとんど軽減されていないならば
省エネとは言えない。
エネルギーと食糧と住居の三代要素を
まだ解決できていない。
それぞれの要素を縮小しただけである。
あるいは
都市と家族の矛盾から分離したにすぎない。
増殖しながら移動する人類に不可欠な
全天候性の自律的なモバイルシェルターを
開発する理由が忘れ去られる<平時>が終わった時にこそ
最初のモバイルシェルターは生産される。
バイオスフィアの陸地の80%は、依然未使用である。
驚くことにその大半は北半球にある。

数学と軽量化

軽量化とは
他の部品や部材
そして、環境や概念との関係においてのみ
存在しうる概念である。
事物の総相互関係(=三角形化)が完遂したネットワークとして。
建築の空間構造が、記号の法律言語(コード)に依存しているかぎり
人間が大気圏内で安全に健康に生活できる最軽量の空間構造は
もはや建築の領域ではない。
空間の超・軽量化は
航空機の翼やロケットの胴体の構造のエンジニアリング以上に
非物質化(エフェメラリゼーション)の前駆体なのである。
構造とパターンは
もっとも純粋なシナジェティクス数学に接近する。
漸近的な極限では
数学による軽量化だけではなく
数学の軽量化さえも生成されるのである。

振動について

構造を持続したいという欲望があるときには
圧縮材への恐怖がある。
構造を実現するには
張力材による圧縮材との統合がなければならない。
それによって、瞬間ごとに構造を実現できたなら
もはや振動による構造を怖れないだろう。

初期化された構造

STAP細胞の存在を疑問視する生物学は
「すべての定義は一時的である」と仮定している科学を
疑問視してはいない。
『操作的に定義された』概念は
科学者集団という<群れ=同業者組合>が運営しているのである。
真の操作主義は、
「すべての定義は一時的である」と仮定する
操作的定義自体を陳腐化することにある。
実際、STAP細胞もES細胞も
<細胞テンセグリティ>という構造として捉える定義には
未だ誰も言及していないように思える。
テンセグリティとは
<初期化された構造>にちがいない。

抽象的思考

すべての発展は物質から抽象に向かう。
しかし、抽象的思考そのものは
それを思考する人の死と共に消滅するが
装置やプログラムは長期間生き残る。
抽象的思考がより長期的に生存するためには
装置やプログラムのより短期的な陳腐化も
加速しなければならない。

構造とパターン

人類の生活空間を支えてきた構造の全否定こそは
最も客観的な数学的行為である。
無線、無管、無柱、無軌道という
4種の自律性を具現化しながら
最終的に経済的にモバイル可能な空間構造は
新たな数学的な<構造とパターン>の発見に従うだろう。
<構造とパターン>こそ
つねに機能と形態とのシナジー的な関係を生成することができる。
「形態は機能に従う(form follows function)」としても
その結果、生まれたのは高層鉄骨建築だけである。
その「柱・フレーム」構法のデザインは
モバイル可能な超軽量な空間構造を生まなかった。
なぜなら、もっとも単純な<構造とパターン>は
人工物のために生まれたのではなく
つねに自然から発見されている。