デザインサイエンス」カテゴリーアーカイブ

火星計画

お金を稼いだ結果、
人々は喜びをとても遠くにまで探し求める。
火星計画はひとつの答えだった。
より幸福であるためのモバイルは
重要な遺伝子の複製の結果だが
80%の人類はまだ沿岸部で
生まれて死んでいる。
大気圏内の地球の裏庭は広大だ。
沿岸部への定住は、まだ局所的段階である。

風のベクトルを変換する構造

森のワークショップで
アルミパイプで構成された直径2mのテンセグリティ球を制作した時、
風が吹くと複数のパイプから
最初はかすかだがやがて遠くまで届く低い美しい共鳴音を発していた。
見えないベクトルは変換される。

夜明け前に、獣たちもにじり寄ってきた。
それは海から来て森と邂逅した張力の囁き声だ。
魚も鳥も樹木も固有な張力で覆われている。

シナジェティクスの量子モデル

数学は、人々にとって単に数字を扱うと考えられているが
構造とパターンを探査する科学である。
シナジェティクスは、発見された構造とパターンが
数字と相互変換可能な宇宙の元型モデルを可視化する科学である。
バックミンスターフラーは、
プラトン学派の正多面体(Platonic Solids)が
数千年間も引きずった静的で固体的な宇宙観を破壊したのである。

バックミンスターフラーが1960年代に発見した量子モデル A、B Quanta Module

分節構造の寝袋(シュラフ)

身体は背骨の構造のような反復する体節からデザインされている。
脊椎動物の分節構造を形成するモジュールが体節である。
体節は、自らの形態だけではなく、隣接する神経組織との相互作用から
神経節や神経ネットワークに影響を与えている。
過剰な剛性や柔軟さを回避できる階層的なシナジー構造に飛躍する。
断熱層の体節からなる寝袋は
バックミンスター・フラーが70年代に最初にデザインした。

ウェスタンマウンテニアリング バイソンGWS
零下40度の極寒用シュラフ

実践的デザインサイエンス講座

シナジェティクス研究所のデザインサイエンス講座生による縮小モデル制作の開始。
原寸大のモバイル・テンセグリティシェルターが
既製品との結合の自由度の拡大によって
それまで予測できなかった実践方法をつねに再定義しながら実践する結果でないなら
シナジェティクスの探求は幾何学で終わるだろう。

反転するリダンダンシー

テンセグリティ球においては、リダンダンシー、
すなわち想定される最低限の負荷と要求される最低限の性能に対し、
それより多めかつ大きめに設計されたこれまでの「余裕」や「余地」は反転する。
より大きい直径のテンセグリティ球の構成要素を
より細く軽くする自然の非物資化の過程と実在によって。

疑似無重力圏で形成される放散虫のテンセグリティ構造においても
地上のリダンダンシーは反転する。

白日に晒す行為の終わり

万国博覧会(World Exposition)の意義は、
非公開だった未知の存在を白日に晒して
大多数に露出(=Expose)する行為であった。
軍事技術を除けばインターネット時代に
新しいテクノロジーとして晒す価値のあるモノは何もない。
露出するのは時代遅れの開催費の借金だけである。

三角形化の歴史

経験される固有な関係性はパターンに対しては局所的である。
パターンはそれらの関係性に対して投影される包括性である。
トラス構造における三角形化の歴史が
球状ジオデシック構造を生んだわけではない。
ジオデシックス構造は基礎構造なしで
自立する無柱空間の構造安定性のパターンから生まれた。

SYNERGETICS RBF 1975
The geodesic spheres (D and E) exhibit “very local” dimpling as the frequency increases, suggesting much less resistance to concentrated loads but very high resistance to distributed loads.

直観を鈍らせない方法

3DCADからバーチャルすると直観が鈍る。
優れたシェフのレシピを見てレストランに行くのと同じだ。
シナジェティクスのモデリングは手からの直観だ。
概念と素材の加工方法から新たな概念が生まれる。
素材とそれらを加工する道具に触れない方法は短命だ。
しばしば素材や道具さえも発明する機会を逸している。
操作主義のモデリングに秘法はない。