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自然交配

ロバが旅に出かけて、
馬になって帰ってくる方法は3通りある。

高速道路を1000円または無料にして、
移動経費をより軽減するエコカー(ハイブリッドカー)を
補助金付きで販売する。

ガソリン税を安くして、エンジン形式を変えないで、
実質的な燃費を良くする。
(しかし、だれもエコカーを買わないだろう。)

ディーゼル・エンジンの燃費と排ガスを改善する。
(フィアットのトラックの最新のエンジンは高速でリッター13キロである。)
もともとピーナツオイル(植物油)で走行するように
デザインされているディーゼル・エンジンは、
ハイブリッドよりも基本的にサラブレッドなのである。
自然交配でなければサラブレッドとして認められないからだ。

リダンダンシー住宅

住居の耐震設計では、
より固体的に補強される。
結局、あらゆる〈固体的〉な構造は冗長なのである。
航空機はこの冗長さから脱却した最初の構造である。
乱気流の中を飛行する機能にとって、
〈固体的〉な冗長さは死の危険を増加させるからだ。
翼のない飛行機の胴体は地上ではもっとも安全なエコ住居になる。
つまり、金属やカーボン材で住宅も非固体的にデザインすべきである。

稲妻

昨年から都市型集中豪雨で
家電製品の落雷による修理が急増しているらしい。
バイオスフィアは
43億年も稲妻を製造しながら、
太陽系で故障しなかった唯一の電気製品である。

宇宙は有限である。
しかし、人類の局所的システムは無限を前提にデザインされてきた。
たとえば、エネルギー効率の低さを無視した内燃機関(ガソリン車は現在でも5%程度)。
バイオスフィアという人類にとって一時的に都合良く、
エネルギーコストを無料化された乗り物は短命に終わるにちがいない。

有限

宇宙は有限である。
しかし、人類の局所的システムは無限を前提にデザインされてきた。
たとえば、エネルギー効率の低さを無視した内燃機関(ガソリン車は現在でも5%程度)。
バイオスフィアという人類にとって一時的に都合良く、
エネルギーコストを無料化された乗り物は短命に終わるにちがいない。

真実について

真実について思考することは、
その定義の範囲に関してのみ
真実を変更することである。
エコロジーが発見されてまだ1世紀程度である。
ゆえに、
エコロジーについて思考することは
その定義の範囲に関してのみ
エコロジーを変更することである。
二酸化炭素だけではエコロジーを変容させられないだろう。

原子力掃除機

これからふたたび携帯もネットもない辺境に移動する。
往復1600キロの旅だ。
しばらくの間、犬のしっぽは更新できないが
原爆の日のヒロシマから更新できるだろう。
父と原爆のネガを引き延ばして
過去をつくり直すのだ。
キノコ雲に吹き飛ばされた人はいない。
みんな放射性物質と一緒に吸われたのだ。
キノコ雲は巨大な竜巻型掃除機だった。
黒い雨は原子力掃除機から1時間後に排気された元安川の水だ。

クラスター

話す、書く、読む、見る、そして聞く・・・・・
これらのすべての行為における僅かな差異を
分離してクラスターが形成される。
これらのクラスターは経験と呼ばれている。
このクラスターはつねに粘菌のように変形している。
これからある考えを纏めるための最大3千キロの旅に出る。
それだけでこのクラスターはより分離されるだろう。

予測的

蛇のすぐそばで動かない蛙を見ると
蛇に睨まれている蛙は
じきに食べられると想像するだろう。
蛇は動かない物体を敵として認識できない。
「蛇に睨まれた蛙は動かない」のではなく
蛇にとって動かない蛙は存在しないことを
蛙は知っているのである。
だから「蛇に運悪く出会った蛙は動かない」のである。
ただし、蛙が生き延びるためには
蛇よりも先に敵を認識する必要がある。
恐怖に襲われると動かない蛙は、
動けなくなる人間よりも、予測的で経験主義的である。
つまり弱者はつねに包括的である。
さもなくば、蛙はすっかり蛇に食べられて
稀少生物になっているだろう。