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神秘

子供は身近でもっとも神秘的な存在である。
芸術家や科学者を除いて、この期間が探求されることは稀である。
この期間をひどく誤解しているのは両親である。
自分たちが属する社会規範に適応させたいがために。  Y.K

ブナの原生林から遠ざかるにつれて、熊たちは絶え間なく殺されている。大気圏外に放り出されるのは犬だけではない。熊たちは森や川を日々30キロ以上移動しなければ生きられない。私の祖母でさえ若き日々に4里(約16キロ)を歩いて生活した時代を懐かしんでいた。  Y.K

金を使わないようにする節約は、もっとも簡単な努力である。
安く量産することと、安く売ることが異なっているように、
金を持たずに済ますことは金を儲ける以上の価値がある。
そこには発見と発明が必要である。   Y.K

法律家資本主義

製造上のテクノロジーは、工場やラボでの試行錯誤の中でしか獲得できないものであり、工場を持たないで、サービス業中心の経済戦略ではこのテクノロジーを高度化していくことはできない。しかし、製造業は、サービス産業に比べて多大な生産設備を持たねばならないので、投資効率が悪い。
会計士上がりの経営者などには全く理解できないテクノロジー自体のサバイバル技術である。

アメリカが国内製造業を保護せず、国内消費市場を外国企業に気前良く開放し続けてた結果、現在の製造業の衰退と貿易赤字の増大を招いたのは、会計士や弁護士上がりの政治家に委任したからである。

国内製造業が衰退した後、国民と政府に借金をさせてまで消費させ、海外から商品を買い続けているのは国家ではなく国家を餌食にした世界権力機構である。世界権力機構を舞台裏で見えなくさせるのは弁護士の得意とする分野である。弁護士へ投資効率が最大になるのは法律家資本主義である。
第2次世界大戦後にアイゼンハワーに消費税を発明させたのも彼らである。  Y.K

少子化、過疎化2

少子化、過疎化という現象面だけが貧弱に議論される過程に、分散型統合社会=グローバリゼーションは確実に浸透している。世界に分散したコングロマリットが支配するネットワークを見れば明らかである。
耕作地を放棄する農民が増加する一方で、多国籍企業による少子化、過疎化対策は農地の買収である。
富の蓄積形態は、富の搾取形態を見えなくさせている。  Y.K

少子化、過疎化1

少子化、過疎化といわれる町や村では全戸に配備された町営の防災無線放送で、早朝からお葬式や告別式のアナウンスが頻繁に聞かれる。ところが、どこかに赤ん坊が生まれても、放送はされない(人口2000程度の町で、誰かの誕生日のお知らせをしたとしても日々6人平均である)。
インターネットのない時代のハイテク装置には、ネガティブで非対称的な無意識的社会の一面だけが生き残っている。

産業社会では、省力化と省エネ社会を構築した結果、工場労働者は減少し同時に若年化している。その結果、農村は稲作を放棄してまで労働者の供給場所ではなくなったのである。より効果的なテクノロジーによって、農村も工場も過疎化する傾向にある。

少子化、過疎化は工業化社会の富の蓄積の結果であるということが理解されていない。  Y.K

出生率 VS利子率

 
100円を年率1.1%の複利で貯金した場合1000万円になるまで千年はかからないという理由で、100人の村の人口は、複利的な出生率1.1%(100人全員で必ず毎年1.1人生み続けた場合)でも千年以内で1000万人に増加する。日本の合計特殊出生率が最も高かった1971年の2.16から、2003年には先進諸国でもっとも低い4割減の1.29になったが、千年間で見れば別に人口は減少しないことになる。 
この違いの原因はどこにあるのか。 
 
短期的に人口が減少しているのは、医療サービスの向上から乳児死亡率が先進諸国でもっとも低いにもかかわらず、企業の人員整理よる合理化で自殺者総数が増加し、医療サービスの向上から超高齢化社会になった結果として老人死亡率が高くなってきただけである。 
生まれた子供が、また子供を産むという概念が合計特殊出生率には除外されている。 
複利のように出生率を定義し直すべきである。  
 
しかし、人口64億の人類の人口動態統には古典的なネズミ算的複利計算でよいわけではない。 
元金やネズミ算には死亡率、すなわち消失し変動する概念が最初からない。  Y.K 
 

最後の産業革命2

30年ローンで購入する現在の住居は、30年後にエネルギー供給するシステムがインストールされていなければ、資産として無価値になるだろう。ガソリン車が30年後には走行できないように。(もし走行していれば、バイオスフィアは海面上昇でどんな車も海岸線は走行できないだろう。)
地上の建物の形態と機能は大変革を遂げるに違いない。
住居の大量生産は最後の産業革命の課題である。  Y.K

インフレスパイラルvsデフレスパイラル

大地や海から労働が抽象的に分離すればするほど富裕層に接近できるという幻想に多くの人々を誘因してきた。個人投資家が増大するに従って、株で株を買い、お金で利子を稼ぐといった直接に労働しない欲望は、インフレスパイラルとデフレスパイラルとの間を振幅するエンジンとなる。それは、台風やハリケーンの破壊力は正負のスパイラル(吸引と排出)構造が時間的差異によって安定した空力的流体エンジンのように見える。  Y.K