ひどく風に吹かれて
誰にもつかめない季節の変化は
あっという間に去ってしまった
メールを出しても
電話がなることもない図書館にいても
その裏庭もWiFiでますます狭くなる
働いても働いても
暮らしはもう終わっているから
風が吹かなければ
誰もどこにも
居場所がないと思いはじめた
気をつけろよ、風の吹かない場所は
いつも移動しているから一番安全なんだ
陽電子のように動く海だから
「裏庭(背戸)」カテゴリーアーカイブ
モズ(mozu)
スタジオの庭には最近モズが規則的にやってくる。
モズはいろいろな鳥(百種の鳥)の鳴き声を
真似た複雑な囀りができるので
百舌鳥(モズ)と呼ばれる。
そのモズがカッコウに真似て托卵することもある。
しかし、そのカッコウもまた体温変動が大きいので
他の鳥に托卵するらしい。
そうなると、体温変動がより少ない他種に抱卵させる習性は
百舌鳥の場合にはまったく説明できなくなる。
体温変動は自然淘汰の結果なのだろうか。
進化と漸進的変化はつねに混同されている。
裏庭
過疎化に対して政府は定住を促進してきた。
都市から移住したい人間が、地域で根を降ろすように。
しかし、移動するための足を備えて生まれてくる人間は
植物のように根を生やすことで大地に定着はできない。
21世紀の定住計画は、
より移動して繁殖してきた人類の行動パターンに反している。
その結果、地球上の陸地の大半は未だに過疎である。
日々平均30キロ移動している野生のツキノワグマは
脱工業化と平均寿命の向上と共に
過疎化で拡張する<裏庭>を歓迎している。
反・独学法
1970年代の日本には、シナジェティクスの教育者も専門家もいなかったが、
私には、何をなすべきか教えてくれる人がいない状態で
独学した期間はなかった。
1975年頃からバックミンスター・フラー研究所とフラーに手紙を書いていた。
彼の講義日程はつねに把握できていた。
驚くことに、彼の休日は飛行機での移動時間だった。
当時のエアメールでさえ、充実した遠隔的な自己学習方法であった。
学習に独学は存在しない。
自己と他者、そして宇宙との関係だけで、他になにも存在しない。
5年後、彼とシナジェティクスの仕事をしたときに分かったことであるが、
彼は年間2万通の手紙を書いていた。
通学も独学も時代遅れである。
自然農 再考
無農薬、無化学肥料、不耕起、非遺伝子組み換え、
無除草、種子の自家採取などが
自然農の目的ではなかった。ましてその方法でもない。
バイオスフィアの偉大な能力を生長させ、
その普遍的な方法を独自に発見するという志がなければ
もはや自然農ではない。
これまでの有機農法や自然農法の定義もその基準も
破壊するほどの先験的な諸原理の発見が
自然農を加速度的に発展させてきたのである。
自然農を支える諸原理の使用に
誰も課金できない。
異常な森
土石流の原因のほとんどは
大雨ではなく
保水しない杉林にある。
杉林は土石流によって
移動する人工の森である。
異常気象を
「過去30年の気候に対して著しい偏りを示した天候」と定義しているように
杉林という異常な森は
「過去60年の気候に対して著しい偏りを示した森」と定義できる。
稲作の周辺には広葉樹の森が存在しなければならない。
杉林は第2次世界大戦後にアジアの稲作の破壊工作のために
アメリカで考案された前駆的な枯葉作戦である。
この裏庭を覆う異常な森はエコロジー運動で保護され
自然破壊を合法化してきた。
分割統治(divide and conquer)
植民は植樹のように
人工的に内部にもう一つの森をつくる方法である。
この森は植民地(コロニー; colony)と呼ばれる。
異民族を対立させるためには
最初の森を分断しなければならない。
分断するには他の民族を連れてきて植民させる。
その双方を外部からの支配によって
異民族同士の対立をより煽ることができる。
分割こそ、互いに異なった森の効果的な征服方法である。
すべての人工的な裏庭(エデン)は植民地に繋がっている。
風鈴
午後の静かな日陰の縁側に
吊り下げられたテンセグリティの共鳴する音に耳を傾ける。
微風で僅かに回転しながら振動するだけで
テンション材と空気が擦れ
そしてアルミパイプと共鳴しているのだ。
振動と共鳴の違いを
再現できるテンセグリティは
優れた風鈴だ。
やがて、その内部に
蜘蛛がもう一つの巣(web)を巡らすだろう。
熱中症(heat disorder)
熱中症は屋内外を問わず
高温や多湿などが原因とされている。
20世紀にはこの病名は存在していなかった。
室温34度でも湿度が30%以下なら
汗はほとんどかかない。扇風機で十分である。
熱中症(heat disorder)は
身体の外部環境への適応障害であるが
真夏日をもたらす偏西風は
本質的に蛇行するようにデザインされている。
北極と南極の回転軸上を
軸トルクで捻れる大気の動的パターンが形成される。
偏西風は波動であり、蛇行によって地球を
より長い距離を循環できるのである。
偏西風の波動とその揺らぎも
バイオスフィアを冷却するために
バイオスフィアが生み出した機能である。
バイオスフィアに熱中症(heat disorder)は存在しない。
自然に無秩序(disorder)は存在しない。
過剰な畑
エネルギーが欠乏した畑よりも
エネルギーの過剰な有機農法の畑によって
畑はより荒廃していることに
気がつかない農民や農協が
いまさらTPPに反対しても
補助金漬けの営農ファシズムに
もはやなにも期待できないのだ。
バイオスフィアの生産性を否定した彼らに
コスト戦争が待ち伏せしていたのだ。
バイオスフィアの土壌細菌と雑草を
壊滅させる彼らの組織に
見えないエコロジーの反撃が始まったとも言えるだろう。