自己責任という概念は、
労働者に対する企業の責任をヘッジするために
東インド会社が発明した。
この最初の法律概念は、
貿易で発生する船舶事故の責任を有限にするために
利用されてきたが、
国家の年金制度の破綻にも有効である。
定職
私は高校を中退して一度もボーナスをもらったことがない。
私が失業したのではなく
定職という概念がすでに失業していたのである。
最大の内部
金融工学の最初の拠点は
18世紀のロンドンであった。
情報をほぼ同時的に共有するために
ロスチャイルド家は伝書鳩を使った
閉じたイントラネットをはじめて構築した。
独自の専用線を独占することで
情報の独占と秘密の保持が可能になった。
現代ではインターネットを介さず、
イントラネット同士を接続する閉じたイントラネットの愛用者は、
銀行や行政である。
彼らは外部がとても嫌いかもしれないが、
インターネットはついに最大の閉じた内部になった。
イントラネットの愛好者たちは
この最大の内部を外部と呼んでいる。
そして
中国はいまこの外部がとても嫌いだ。
無条件
ロシア政府は、ロシア革命以前から
失業者には、証明書がなくても
黒パンと豚肉とウォッカを無条件で支給していた。
そして生きながらえる保証を得たが、
多くの失業者はアル中になった。
シェルターと太陽光パネルとPC(これからはiPadと言うだろう)と
衛星インターネット、
そして、少しばかりの農地を
個人が低価格で調達できるならば
人々はより健康で知的になるために
喜んで失業するだろう。
知的産業社会では
都市に定住しなくなる傾向が生まれる。
テンセグリティ球
完璧なテンセグリティ球などといったものは存在しない。
半径はつねに振動している。
樹木のように。
事実
事実は解釈によって作られる。
だから、政治的解釈や経済的解釈は編集されている。
たいていの事実は存在しないが、
原理は事実とは異なる存在である。
その区別ができるのが
知識である。
情報危機
倒産件数は増加するばかりだ。
2008年には、1年間に倒産した上場企業件数が過去最高を記録した。
しかし、創業件数の推移には依然興味がない。
これは古い社会が引き起こす情報危機である。
クロノファイル
本を読まないより知的なことは
本を書くことである。
もっと知的なことは
思考を記録することである。
メカニカルウイング
太平洋岸の明るい暖かい場所から
ふたたび雪が降る場所に私は移動した。
キャンピングカーを改造した
初代のメカニカルウイングには2つの大きな窓がある。
バンクベットから風景を見る窓と
インターネットに繋いだフルハイビジョンのモニターだ。
私は、雑誌と新聞と野菜を買わない生活がとても気に入っている。
どの窓も外部を映し出している。
毎日移動して暮らしていても、
この2つの窓なしには暮らせない。
メカニカルウイングの朝夕の暖房は、
もっとも小さい中国製の薪ストーブだ。
寒さに耐えながらもここで考える仕事はできる。
ノート型PCと太陽光パネル、
そしてモバイル用インターネットとスカイプがなければ
こんな生活は思い浮かばなかっただろう。
今日は明るいうちに友人の裏庭の畑にいって、
きっと雪で埋もれて残り少なくなった野菜を掘り起こそう。
寒さに耐えるために自然の不凍液に満たされた野菜は
春までとても貴重だ。
肉食をしなければ、
この移動生活に難なく適応できる。
穀物と野菜だけで人間は健康を維持し
思考を持続できる。
地熱
火山活動やマントル対流による地震によって
地層や岩盤に
圧縮・引張・剪断などの応力が発生すると
地熱に換される。
驚くほど多くの人々は、いまでも断層の上に住んでいる。
そこが暖かく過ごしやすいからだ。
植物の生育が早い
地熱の豊かな場所に都市を形成することは
もっとも危険な選択だった。
太陽光を電気に変換するテクノロジーが
断層から都市を安全な場所に移動・拡散させるだろう。
