月別アーカイブ: 2010年12月

土地資本主義

ネイティブ・アメリカン部族から大地を奪うために、
彼らの主要な食料だった数千万頭のバイソンと森を
計画的に絶滅させる方策を採用したのは
アメリカの議会である。
バイソンは草食動物である。
衛星から見れば
北アメリカ大陸のカナダの国境線以南の森林は
すっかりはぎ取られている。
偏西風だけが雲を生成していない。
広大な森が雲を生成し水を保存し、
気象全体を制御しているメカニズムを
ネイティブ・アメリカンは
気象学が生まれる前から熟知していた。
バイソンの腐らない頭蓋だけを
すり潰して畑の肥料にしたのは
森を伐採して雨が少なくても耕作できる小麦畑への
唯一の持続的再生利用だった。
土地資本主義に制御された議会の機能とは、
まさに「犬の散歩を犬のしっぽに任せた」結果である。
米北東部がカナダ以上に毎年寒波に狙われるのは
森とバイソンから絶縁したからにちがいない。
Muybridge_Buffalo_galloping.gif

虚空

オオカミに囲まれ
群れから離された一頭のバイソンでさえ、
ついに大地に触れ伏したときは
お腹を食べられながら
静かに虚空を見つめていた。
生命はいつか必ず終わることを
知っている人間だけが
いつ死んでも困るように
生きてしまう。

稲妻の経路

光速の6分の一の速度の稲妻の
落雷時の経路は螺旋だ。
なぜなら、半径のあるシリンダーの表面では
螺旋は最短距離だからだ。
落雷の瞬間の経路も
原爆投下後の半径をもったキノコ雲の成長も
原理は同じだ。
宇宙は最短距離としての直線を利用しない。
lightning-x-rayed-test_30679_big.jpg
稲妻のX線放射を初めて撮影
ショナルジオグラフィック ニュース 2010/12/24
kinoko_01.jpg
ヒロシマのキノコ雲の成長

不耕起

精神を耕すことが哲学ではない。
特に読書で耕してはいけない。
宇宙の諸原理が宿るまで
精神も不耕起で
真実と共に生き延びるのが
メタフィジックスだ。

根無し草

何度も移し替えられと植物の成長は遅れる。
しかし、人間は移動するごとに
より環境に適応するテクノロジーを習得する。
その学習能力を恐れた支配者は
「根無し草」という規範を
より移動しないように
人間たちに植え付けてきた。
(しかし、実際の「根無し草」は移動したがらない植物よりも
光合成機能をより強化して浄化作用に機能している。)
われわれはいま再び
個人に対する外部規範の内面化を
道徳に変換するテクノロジーが
環境に適応するテクノロジーよりも
強力に機能する時代にいる。
規範は植え付ける毎に成長してきたから。

テンセグリティシェルター

テンセグリティが美しいのは自慢にはならない。
それは対称性を視覚化した段階にすぎない。
しかし、テンセグリティシェルターが美しければ、
それは不可視の複数の原理を調整したデザインの美しさだ。
このデザインには少なくとも数学と工学が含まれるが
美学は不要だ。

暇な時間を利用できる人は
いつも忙しい人だ。
いつも暇な人は
利用できる暇がないほど
時間の牢獄にいる人だ。

サーバーメンテナンス完了

サーバー(server)とは奉仕人の意味である。
ほとんどの個人はその農奴(serf)システムを
機器と共にレンタルしている。
いまや個人はサーバーに依存して生きている
最初の情報奴隷である。
やがて人類の人口よりも
サーバーのレンタル人口のほうが上回るだろう。

柔軟性

頭の柔軟性は年齢と共に
失われる傾向があると思われているが
思考の柔軟性は
年齢に関係していないかもしれない。
経験的に思考の柔軟性は
思考のシナジーに関与しているだろう。
しかし、シナジーはけっして方法化できない
原理でもある。