虚空

オオカミに囲まれ
群れから離された一頭のバイソンでさえ、
ついに大地に触れ伏したときは
お腹を食べられながら
静かに虚空を見つめていた。
生命はいつか必ず終わることを
知っている人間だけが
いつ死んでも困るように
生きてしまう。