銅に関するグランチの企み

すべての金属はリサイクルされている。
全世界の銅の消費を予測するためには、最終製品に組み込まれ蓄積された銅量とリサイクルされる銅スクラップ等の発生量からリサイクルの周期が求められる。
しかし、この周期は把握されていないに等しい。
膨大な時間とコストがかかるという理由で。
だから、最近の銅スクラップの輸出による国内の銅製品の高騰は投機マネーのせいだなどと言われるのである。

2000年の銅に関する統計をみると、
銅投入量が約360万トンの欧州は、銅スクラップを原料として100万トン近くの二次電気銅を生産している。銅投入量が約328万トンの米国は、中国への銅スクラップ輸出を増加させて、二次電気銅生産量を約18万トンにまで減少させている。銅投入量が約313万トンの中国では、銅スクラップ輸入量が急増しているが二次電気銅生産量は減少している。
統計的に世界全体への銅投入量が増加したにもかかわらず、二次電気銅生産量が減少した理由は、主として中国での電解精製を経ない銅消費増加のためであると推論された。

これはNHKの「クローズアップ現代」で採用されるシナリオを越えていない。
二次電気銅生産量を意図的に減少させて同時に世界的な銅鉱山をほぼ同時的なストライキなどで生産性を減少させて、銅の市場価格をコントロールする連中がいなくては不可能な統計なのである。
銅の地上の鉱山(=銅製品のスクラップからの二次電気銅生産手段)と銅鉱山の支配から、統計は作られている。
銅のリサイクル量を減少させた統計データは、世界の工業化のための動脈の血流を阻害するための人為的な動脈硬化と血栓のデータでもある。
つまり、21世紀の銅の周期は意図的に把握されていないのである。

ところで、金属のリサイクル生産理論は、
バックミンスター・フラーが1940年代に実際の調査から証明した理論である。彼によれば、当時の銅のリサイクル周期は22年であった。
それまで、アメリカの金属工業の専門家たちは、すべての金属は腐って性能が劣化すると考えていたのである。  Y.K

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