日別アーカイブ: 2013年10月4日

自然のリダンダンシー

人間は自らの体重を骨格だけで支えてきたのではない。
60兆個の細胞はもっとも安全なテンセグリティ構造を採用してきた。
人間が生活空間として使用する構造としては
テンセグリティは危険すぎると考えて
彫刻作品のみに利用してきたケネス・スネルソンは
テンセグリティ構造の自律的な外力分散システムや
付加的でない自然のリダンダンシーに対して
まったく無関心である。
あるいは無関心を装っている。
空間構造の安全のための新たな代替手段を確保する可能性が
まったくないという前提から
彼は芸術作品としてのテンセグリティの存在意義を
形成してきたように思える。
美的価値はしばしば科学的な発見によって瞬時に破壊される。