自分よりも強い人に憧れる群れのなかに
自分よりも弱い人の面倒をみる人間がいなくなると
攻撃を受けた側は反撃自体を回避するようになる。
反撃ではなくとも、少なくとも攻撃を回避しないかぎり
群れをより強く維持する機能が衰退していくはずだが
攻撃を受けやすい弱い無数の人間が群れから去らない理由は
群れでいることの利点が攻撃による損失を上回るからに他ならない。
あるいは
群れから離反した強い人間たちが群れを反撃しない場合は
離反することの利点が反撃による損失を上回るからに他ならない。
たとえば、株価はこうして短期間に上昇したのである。
——-必要なモノは何もないにもかかわらず。