シナジェティクス」カテゴリーアーカイブ

目的論

すべての生命は、混沌を秩序に変換する
反エントロピー的システムに加担している。
無意識的にではなく、非意識的に。
人間は混沌を秩序に変換しないことも意識的に選択できる
最後のエントロピー的生命だ。
生物学はこの選択に関与したがらない。
目的論を除外してきたからだ。
科学者は意識的に除外するこの行為を、
まだ客観的と見なしている。

柔軟な強度

「アイデアの結晶化」という思考法がある。
「最終的に考えを固める」こともこの思考法の変形である。
柔軟な強度は、結晶化にはない現象を扱う
もっとも新しい科学的概念であるが、
自然界ではすでに物質化されている。
たとえば、天然で最も硬い物質であるダイヤモンドよりも
構造的に強いフラーレンは、
もはやダイヤモンドよりも硬くはないのである。
(このダイヤモンドの硬さは、耐衝撃性に弱く、金槌で叩けば粉々に割れてしまう弱点がある。ダイヤモンドはもっとも振動しない固体だからである。)
ダイヤモンドにはないが、
フラーレンには存在する外力分散の機能こそが柔軟な強度を生成する。
あらゆる冗長な固体的な思考法は、
耐衝撃性に弱く、
本来的に思考自体の破壊を加速するだけである。
硬い固体には、構造にとっては無駄な物質が集積されている。
物質における柔軟な強度が、
引っ張り強度とその振動数以上に関係するのは
ノードの配置パターンである。
そのパターンは物質ではなくメタフィジクスに属する。
耐震強度を固体に求めるのは、経済的でも安全でもない。
真の強度はメタフィジクスにある。

非素材革命

素材革命に依存しないシナジェティクス革命は存在する。
圧縮材の分割数を増加させると共に、
各張力材を構成する繊維が複数の繊維に分割される場合、
その繊維は、単位重量・単位断面積あたりの強度は数倍に増加する。
こうした富は、
個人資産にはほとんど含まれないノウハウとして、
この半世紀間グランチによって蓄積されてきた。

全方向性

宇宙的な座標点を固定しないで、
経験的に全方向性を備えていることが、
ナビゲーションのデフォルトである。
それゆえに
「環境とは自分以外のすべて」なのである。

地球水

工業化によって農村から都市に移住したように、
脱工業化によって大気圏外宇宙で生存するためには
他の生存形式を選択しなければならないと
いう前提をたやすく受け入れることはできない。
自然界に存在する同位体の各元素の純粋な整数的な原子量を
測定する場合、最初にそれらを分離しなければならなかった。
その結果、分布のパターンは整数比ではなかったのである。
水素と酸素を整数的に化合した水だけを日々の飲料水にすれば、
未知な微量元素の働きを完全に除外してしまうだろう。
微量元素の薬理的な働きはシナジーそのものである。
大気圏外宇宙では、地球水はもっとも高価な化合物の一つになるだろう。

粘土団子

多様な雑草などの種を100種類以上混ぜた粘土団子によって、
砂漠緑化を行うだけではない。
人間によって間違って緑化された大地を森に還すための
もっとも複雑な工程を
自動的に管理できる最小限のシステムとなっているのである。
エコロジー的な統計学は、福岡正信の粘土団子の機能に較べれば、
粗雑な道具すぎる。
自動車のエンジンを修理するときにドライバーの代わりに、
金槌で分解するようなものだ。
粘土団子はあらゆる偶然をプログラムしているだけでも、
バイオミミクリ(生物模倣)とは反対称的だ。
彼が科学者のように自然の可視的な形態だけを
模倣しなかったからだ。
100種の雑草のシナジーは、<ハイブリッドシナジー>ではない。
ハイブリッドカーにはつねに運転手が必要だ。

全方向性

何でも触れられるモノは、大地を移動させることができる。
たとえば、車や家具やパソコンそしてアルバムなど。
しかし、思考する自己は大地には置けない。
全方向的だからだ。
天測法は、海に浮かぶ船のみに観察者を置かない
最古の全方向的な思考のテクノロジーである。
自分を外から観察する最初のメタフィジクスである。
優れた航海術を習得する人たちが
球面三角法の起源となった天球儀に精通しているのも
立体幾何学が最古の体外離脱のサイエンスだったからである。
そして、彼らが体外離脱のヨガにも精通しているのは偶然ではない。
21世紀のITツールでさえ、
主に個人を大地に据え付ける手段として利用され続けている。
たとえば、衛星インターネットを
技術的ではなく政治的に拒んできた携帯産業など。
ハイテク機器が最新の全方向性能を備えているとは限らない。
個人を専門分化に引き止め、分断するための
もっとも効果的で経済的なツールなのだ。

知的奴隷

専門分化は知性をバラバラにすることに夢中になる。
学生はそのような知的操作に憧れるように教育される。
専門分野や専門学校そして、
大学院大学はより増加する傾向にある。
そして、バラバラな知性を再構成するための統合的な知性は、
20代にはほぼ破壊されている。
世界的な規模で専門分化がなぜ歴史的に形成されたかを分析する作業は、
分断され征服された知的奴隷にはとうてい期待できないだろう。

引力という張力

原子核に固体は存在しない。
核子間の核力が電磁気的反発力を超えた引力として作用し
原子核を安定化させている。
この引力による構造安定性が固体という概念を破壊する。
最も安定な原子核は、鉄の原子核である。
土壌中にもっとも豊富に含まれる金属原子である。
それゆえに、鉄と権力は融合しやすかったのである。
城壁はそれにつづく固体的建築様式である。
しかし、
あらゆる張力的な可能性は、物質の表面に賦与(デフォルト)されている。
圧縮力はつねにより高い張力の振動数である。
真の宇宙の構成要素は引力を受けるのである。
にもかかわらず、21世紀の個人は社会構造のなかで
つねにプレッシャーを受ける圧縮材としてのみ機能している。
彼らには挫屈という構造の不安定性が待っている。