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ニート

何もしないでいつも家にいることを選択できた最初のニートは王様だった。
しかし、王様の意志は人々から尊敬された。

株主は2番目のニートだ。
お金でお金を稼いでいるステータスを求めてせっせと株を買っている。
働きたくない人々は増えるばかりだ。

ニートは至る所にいる。
一時的にニートにならない人はいない。
ニートは資本主義の立派な目的だ。
ニートに著しい生活格差と情報格差があるだけだ。
ニートは資本主義の立派な反映だ。  Y.K

*ニート
NEET(Not in Employment, Education or Training) とは、
教育機関に所属せず、雇用されておらず、職業訓練に参加していない者であり、
離職中・求職中・育児又は家族の世話・無給休暇中・病気や障害・ボランティア活動までを含む。

環境の制御技術 

 「構造」と呼ばれる建築空間でなされる絶えず変化していく暮らしは、静的構造より重要であることは明らかであったにもかかわらず、住居(シェルター)は人生それ自体の目的として見なされ、生命活動の手段としてはほとんど無視されてきた。
これまでの環境の制御技術の非効率性は、不動産としての住居というまさに不動の固定観念で意図的に制御されてきた。このことは21世紀でもイデオロギーに無関係に制御されている。
その結果、大気圏内外の先端的な環境の制御技術が軽量化に求められられるのとは対比的に、現存するすべてのイデオロギーは住宅の軽量化には無関心を装っている。

環境の制御技術によるエネルギー効率は、再生的な軽量構造デザインによってのみ著しく向上する。石器時代から継承されてきたより重いモノが優位に立つ圧縮のテクノロジーとその歴史は危機に瀕している。  Y.K

ロイヤリティ

アメリカの特許庁の玄関の石には
「特許制度は天才という火に利益という油を注いだ」
というアメリカ大統領リンカーンの言葉が刻まれている。

特許権使用料の概念は弁護士でもあったリンカーンが策定した。アメリカ大統領が武力を発動し、アメリカの「統一」を保つために発明家たちに武器の特許出願を奨励する歴史がはじまった。
21世紀のデザイナーが開発したがるのは、人間が人間を少しでもより巧妙に支配するための技術を開発しようという目的に効果的な人工物ばかりであることは、この歴史が説明する。
この200年間のデザイナーを支配するための単純な技術は、ロイヤリティ(royalty)というご褒美である。
ロイヤリティとは、語源的に王の特権、 採掘権を意味する。
リンカーンは王の特権を個人に分散化した最初の発明家であった。  Y.K

生きたデータベース

世界中の雑草の原種はすでに世界権力構造によって収集されてきた。
その中に日本の古代米の原種も当然含まれている。
雑草天国の日本では想像しにくいが、あらゆる穀物はかつての雑草の原種から改良された結果であるという単純な理論がやがて人々を支配するだろう。遺伝子組み換えにはこうした生きたデータベースがなければならない。このデータベースがあるからこそ遺伝子組み換えのリスクヘッジにのためにむしろ無数の原種という<現実>が担保されていくのだ。地球上の表土全体が球面モニター上でのシミュレーションような役目を負わされている。
世界中の雑草データベースは、未開民族や少数民族の血液が遺伝子治療の特許開発のために風土病の調査を装った医療チームによって、密かに採血される方法と酷似している。  Y.K

ジオデシック構造

ジオデシック構造は適切にデザインされているとは限らない。
富士山頂ドームは直径10mのフレームだけで650kgを超える構造体であったが、
もちろん古めかしい構造計算の安全率のために
ヘリによる空輸の危険率は最大になっていた事実はほとんど知られていない。

従来の構造力学は、荷重を分散しない結晶質でできた柱や梁の圧縮力のみを
考察の対象とする法律的な基準でジオデシック構造を分析してきた。
これまで製作されたジオデシック・ドームの多くは、
その強度が、航空科学が採用した適切な安全率をはるかに超えるリダンダンシーを採用する。
建築家は航空科学者の3倍の安全率で顧客に安全を約束する。
テクノロジーに関する無知が増すにつれて、
無意味な恐怖心の裏返しである安全率が大きくなるのは、
安全率に比例してリダンダンシーも大きくなる一方で、
荷重を分散する自由度を狭めていくからである。
過剰な重量を抱え込む構造こそ死の危険を増大させコストを上昇させる。  Y.K

ウィルスとワクチン

昆虫ビジネスから<共有するシステム>という
エコシステム自体の開発費は除外されているにもかかわらず、
理由なき発見のほとんどには特許的な価値がある。
昆虫はあきらかに人類よりも種類と個体数が多いから、
昆虫と人間が必要とする閉じた環境に特定の生命を加える行為でそれまで未知であった情報が生成することはもっとも産業化されやすい。
生態系の破壊が進行すればするほど、
昆虫ビジネスにも<ウィルスとワクチン>の関係が登場しやすくなるだろう。  Y.K

外破と内破

グローバリゼーションは進行する。
かつての大英帝国という内部がアメリカ合衆国という看板の外部と入れ替わり、
現在その世界権力構造内部が内部から解体されていく。
外破と内破の違いは内破には開放がないことから無開放閉鎖音になるが、
無数の破裂音のテロと同時進行する。
内部はテロを新たな外部とすることでしか構造化できない。
これが内部が外部に資金調達するメカニズムである。  Y.K

宇宙的コスト

資本主義は、移動できない不動産を放棄し、その営利行為を不可視の現実と同期させようと科学に依存する。
現実の宇宙的コストは常に減少するにもかかわらず、すべての価格が上昇する現象を科学者は研究対象にはしない。
単なる企業の利己主義である以上、科学的に解析する価値はないからである。
しかし、科学が問題のすべてを熟知していると誤って仮定している。
この仮定こそが政治家が科学的課題の解決策を科学者集団に委任し、
その見返りに膨大な科学研究費を税金から捏造できる最大の根拠になっている。  Y.K

交換価値

私が住む村には大万木山がそびえる。
あまりに険しくそして積雪が深く、開墾や放牧ができなかったので
まだブナの原生林が残っている。
その山の湧き水を一回に75リットル汲むくのが日課になった。

古典経済学によれば、空気と天然水の交換価値はゼロであるが、
その使用価値の可能性は増大して、
天然水関してはついに1リットルのガソリンの価値よりも高価になった。
(内燃機関が発明されるまで、石油でさえその交換価値ゼロであったことを思い出そう。)
しかし、サウジアラビアでは水のすべては海水を電気分解して生成されている。
その生成に要するすべてのエネルギーは石油を利用した火力発電である。
この場合は水1リットルはガソリンよりも高価であるのは当然である。

彼らから見れば、大万木山は自分の所有する油田と交換可能である。
だからと言って、大万木山を独占しようとする日本の銀行家はいない。
そもそもアジアには湧水などありふれているものだ。

今や経済学が真の富の定義とその運営方法を破壊しているのである。
世界の銀行家たちはノーベル賞経済学者を支援する一方で、
来るべき水戦争という21世紀の資源戦争に向けて多大な資金を集中させている。

来るべき水戦争は中東で始まるだろう。
水は石油と交換可能な液体であるから。  Y.K