複雑系

複雑にできている物事を
決して単純化してはならないと考えている人は
シナジェティクスのことを「複雑系」と分類している。

自己組織化の一般化を自負する「複雑系の法則」が
もっとも単純なテンセグリティ構造の
リダンダンシーの自発的排除を
分析できているわけではない。

シナジーという単純な言葉で説明してばかりいると
自然に適応できないと感じる恐れは
世界権力構造という最大規模のリダンダンシー
の自己組織化を意図的に解読しないだろう。

つまり、バックミンスター・フラーの
『クリティカル・パス』は複雑系の対極にある。  Y.K

宇宙寒冷化

地球温暖化で大気圏外に
放熱されなくなったエネルギーのことはだれも言わないが、
宇宙のどこかが冷やされている。

局所的宇宙の温暖化は、
局所的宇宙の寒冷化を引き起こしている。

地球エコロジーの危機は、
宇宙エコロジーを除外していることで加速する。 Y.K

思考の請負

アメリカ先住民の〈神〉(Great Spirit)は、
擬人化した神ではない。
狩猟と耕作の権利は与えても土地の所有権は
決して与えないということは自明であった。
この先住民はかつての海の民だった。

常に変化する大洋において、
特定の海域を〈所有〉することが
現実的だと考える船乗りはいない。
先住民にとっては土地を所有できるのは
グレートスピリットだけだった。

アメリカ先住民は、自分たちがヨーロッパ人に
売ろうとしているのは釣りと狩りの許可証だけであり、
土地の所有権ではないと考えていた。
「船は海域とともに販売できない」事実を知りながら、
「家は土地とともに販売される」理解できない法律に適応するために、
しぶしぶその所有を試みたが、
多くの海賊の末裔たちは全盛時代の自惚れによって
すでに手遅れだった。

この海と陸の対立の基準は
今では「捏造された妄想」に変容したが、
法律に適応した人間から、
グレートスピリットは完全に消えてしまった。

他者の思考を請け負って意見を異にする人間を一掃する
モラル・マジョリティーは
環境の悪化とともに増加している。 Y.K

半球テンセグリティ構造

全球のテンセグリティがオブジェとして美しいのは自慢にはならない。

テンセグリティ構造を正しく設計すると、
半分切除した半球状のテンセグリティモデルでも、
床に落下させるとボールのように
バンドすることが確認できる。
(構造を扱うと自負する専門家にとっては、
テンセグリティ構造から数本のテンション材が切れた状態以上の
破壊を意味しているので、この実験は彼らの常識の破壊実験に変貌する。)

経済的に自立する半球のテンセグリティ・ジオデシック構造が美しければ、
それは原理の統合性の美しさだ。

ただし、人間がつくり出すどんなデザインも到達できなかった美だ。 Y.K

ケチなエコロジー

ケチな行為をエコロジーで偽装する
もっともケチな企業と人間が増えている。

自然がもし
人間のようにケチなら
人類に石油資源の採掘権を無償で譲渡しなかったとは
思わないのかい?

自然がもし
人間が発見したエコロジー概念にそってふるまうなら、
現在の人類はとても存続できない。

などど自省して
今度はバイオからアルコールを搾取するのもいいけれど、
自然に優しくしながら奪ってばかりいると
「ただより怖いコトはない」のだ。

法律家資本主義に贈与はあっても、
恵みという概念が排除された時から。 Y.K

思考を声に出す(thinking out loud)

「思考したことを声に出す」ために
原稿を用意する社会的習慣がある。

しかし、「思考したことを声に出す」ことと、
「思考を声に出す(thinking out loud) RBF」ことは異なっている。
思考と声はほぼ同時的にリンクできる。

この能力を最初に隠蔽しているのは
教師たちである。
両親が教師に替わる場合も珍しくない。
彼らにとって学習とは他人の思考したことである。

そして、ワープロの音声入力を怖れている学生は実に多い。
専門分化はすでに思考と声から始まっている。    Y.K

宇宙計画

21世紀の工業先進国は
ひたすら宇宙計画(=space program)の過程にいる。

彼らの物理的宇宙(space)が、
もう一つの宇宙(Universe)と分離されているかぎり、
宇宙それ自体に近づこうとして
取るに足らない資源争奪戦をしているだけかもしれない。  Y.K

第4次世界大戦

ライト兄弟による最初の飛行実験には、
航空機の国家免許は不要だった。
同じ理由で科学的発見に国家のライセンスは不要だ。

第一次世界大戦までは、
科学的発見を制御できるメタフィジクスの独占は
もっとも困難な領域であった。

冷戦構造が第3次世界大戦だとすれば、
自発性を除去できる教育ノウハウまでが
すでに独占されている現在は、
教養はあるが知性の欠如した人類が急増する傾向にある。
つまり、
戦場から死体が減少する第4次世界大戦は始まっている。 Y.K

地獄と天国

情報の欠乏からエントロピーが生じる。
その究極で地獄という概念が生じた。

しかし、過剰な情報から
天国という概念が生じたわけではない。
地獄に対立した概念もまた
情報の欠乏した想像力から生まれる。

シントロピーは情報の欠乏や過剰からではなく
情報の統合から生まれる。

それは、情報を欠乏させることなく、
局所的情報を劇的に一般化させる原理の存在を
理解した瞬間に到来するメタフィジクスである。  Y.K

シナジー

物質を統合する関係は、本質的に不可視である。
たとえば、重力は不可視である。
それゆえに宇宙は神秘的である。
絶対的な神秘という宇宙の統合性は不可視である。

しかし、統合性のふるまいは
理解できるばかりか、
測定可能であり、
そして、
永遠に信頼できる。    Y.K