月別アーカイブ: 2013年11月

万能意識 (multipotency)

ノウホワイ(know why)は
いわば万能細胞(=ips細胞)のように
教師や学校教育プログラムを全く使用せずに
分化し統合できる万能意識を呼び覚ますことができる。
こどものある時期(人間の10歳児の知的爆発期)の
ノウホワイ(know why)は
統合的多能性 (integrated multipotency) と呼ばれるだろう。
こどもは興味のあることは
経験を超えて実現できるという意識を持っている。

生物学的雑用

生物学で分類できない植物は存在しないが
雑草には名前がない。
名前のある価値のない職業は無数にあるが
雑用には名前がない。
エコロジーシステムから雑草を除外できないように
人類の雑用には無数の創造性が潜んでいる。

知的な労働力

この自己教育システムによって
より高度な知的教育をスカイプなどの遠隔的システムを利用して
もっとも経済的に実践できる。
グランチは、発展途上国の知的で安価な労働力を吸収するために
工業先進国で広範囲に確立された平均的な学歴を
短時間に陳腐化しているのである。
21世紀の計画的陳腐化の対象は
自動車のようなハードウェアーだけではないだろう。
しかし、この自己教育システムを知的な労働力に変換し
グローバルな奴隷化を加速するために
グランチはパソコンを発展途上国のスラム街に贈与する以外に
ほとんど何も投資していない。
人間の生得的な自己教育システムには
開発も投資も不要だったのである。
この偉大なデフォルトを否定しているのは
先進国のほとんどすべての学校社会である。

受容から自律へ(ノウハウ know how からノウホワイknow whyへ)

例えば、
誰かが考案した球状テンセグリティモデルの
正確無比な作り方(=ノウハウ)を教えるほど
あなたが無思慮であり
あるいは、
あなたがそのノウハウに従うほど無自覚であれば
教師と学生はただ知識を模倣するための
学習システムを受け入れそれに従うだけである。
結局はまたテンセグリティとはまったく関係のない
権威というシステムを受容することになる。
細胞が自らの構造を複製し増殖するためにDNA以外に
テンセグリティシステムを採用したのは
19世紀から20世紀にかけて蔓延したこの非自律的な学習システムを
人類が学校を作る前に自ら破壊していたからである。
権力がこしらえた教育システムが
動機に基づいた生得的な学習システム(=ノウホワイ)を
模倣できなかった歴史は終わる。
それゆえに、生得的な学習システムを否定する教育システムは
教師の終身雇用制度の存続に専念している。

自己教育

より優秀な学生は
もっとも必要とされる場所に行きたがるが
より優秀な教師は
もっとも必要とされる場所に行きたがらないから
最初から優秀な学生は
いつも優秀な教師に出会える。
このシステムでは
優秀な教師ほど生得的な自己教育システムで育った
こどもを知りたくなくなる。
そのこどもたちが
教師を必要としていないほど自律的だからだ。

21世紀の雑用(再考)

誰でも、雑用は嫌いである。あるいは苦手である。
しかし、雑用のない仕事は存在しない。
すばらしいと感じる仕事の90%は雑用から成り立っている。
水素の核融合反応によって、2つの水素原子からヘリウムが生成され
そのヘリウムから炭素、窒素、酸素が生成される。
水素原子はこの二つの核融合反応を起こす担い手であり
宇宙全体の活動に深く関わりがあるのは
質量では宇宙全体の55%を占め
宇宙で有限な原子数の90%以上を占めているからである。
水素は、宇宙で最も豊富な元素ゆえに
宇宙の雑用をこなしている。
ありふれた雑用は、個人の統合的な仕事に深く関与している。
それゆえに、個人が宇宙全体の活動に深く関わろうとする場合
分類不可能な「環境の準備」として加速度的な雑用の増加が現れる。  
この進化する雑用こそ
ロボットには代用できない仕事なのである。
雑用を職業的代行として認識しているかぎり。

朝の運動

動物行動学者コンラート・ ローレンツの朝の運動は
朝食前にお気に入りの仮説をひとつ踏みつぶして捨てることだった。
ならば、次の朝食までに踏みつぶすべき
次のお気に入りを用意できるかどうかが
日課になったはずだ。
それほどの学者だったからこそ
ある仮説の一つが偉大な発見に繋がっただけではなさそうだ。
仮説を踏みつぶす日々の運動なくして
科学的な創造性を獲得できない経験的事実を
誰かから<刷り込み>されていたのだ。
つまり、10才までのデフォルト期限までに。

健康水準(income level)と貧困線(poverty line)

人類の健康は所得水準(income level)に比例する
という20世紀の統計学がある。
この理論では野生生物の健康を説明できないが
少なくとも生命保険会社はこの統計学を
惑星地球の頂点に立つ哺乳類に適用している。
その哺乳類の過半数は貧困線(poverty line)、
つまり最低限度の生活を維持するのに
必要な所得水準以下で生きている。
(30億人以上は1日2ドル未満で暮らしている。)
所得水準や貧困線は動物行動学には存在しない概念である。
それゆえに、その貧困線(poverty line)以下の人口が
毎年拡大している現象は動物行動学では説明できない。