内部を外部へと反転させる操作

子供の頃、散髪屋に行くといつも
ある考えに悩まされた。
鏡像の世界から離れなくなって
遂に、別の鏡から出るアイデアを
実行できないまま、散髪が終わる。
鏡の出口を探す旅は、
左右を入れ替える鏡の非対称性ではなく
内部を外部へと反転させる
鏡の機能にはない反対称性の概念に出会うまで続いた。
反対称性は物理的操作から生まれる物質的存在なのだ。

「正12面体における対称性の破れ」 1989 
シナジェティクス研究所 梶川 泰司