バックミンスター・フラーの思考方法は
アインシュタインの思考方法の<再現>から始まっている。
『コズモグラフィー』はその再現過程で発生した
方法の独創性を要約したメタフィジックスである。
その思考方法こそ、自己規律を含む
シナジェティクスの方法序説なのである。
「シナジェティクス」カテゴリーアーカイブ
直観について
直観的に理解できる能力は
専門分化できないが
その能力がなくても専門家になれる教育が
生き残っているかぎり
数学者がシナジェティクスを理解するよりも
こどもがシナジェティクスモデルを作るほうが簡単だ。
思考言語について
シナジェティクス・モデリングは
数学言語の3次元の置換形式、またはその置換過程ではない。
まして、個人的で孤立的な活動ではない。
シナジェティクス・モデリングは
25世紀間も継続していた幾何学上の思考言語と
その在り方を理解し、またはそれらを破壊することにある。
芸術には本来、技術の在り方を理解する行為が含まれるが
しばしば表現技術からその目的が排除されるように
シナジェティクスモデルの具体例であるテンセグリティモデルは
張力技術のアイコン(=偶像)に無意識的に置き換えられてきた。
その結果、テンセグリティの張力部材に
ゴム紐のような弾性体が使用され工学的な統合性が消失したのは
観察者が個人的で孤立的な活動に始終しているからである。
構造とは何かは、テンセグリティによってはじめて定義された。
その定義した思考言語こそ
観察者の言語構造の破壊、またはその再構築に関わっているのである。
比較について
比較から新たな解決策は生まれない。
淀んだ自己満足と競争意識は
他者との比較の歴史である。
もっとも効果的な学習方法は
その自己放棄から始まる。
縁側
真冬の晴れた日の
太陽光だけで暖房は要らない縁側で
シナジェティクスを読む。
シナジェティクスの英知が
情報や知識と如何に異なっているかは
脳の中の<縁側>で理解できる。
<縁側>とは
内部でもなければ外部でもない空間領域なのだ。
現実化(realization)
働きながら何か他のことをしなければならないと
思いながら何かを学ぶことはできない。
どんな行為にも集中できないだけである。
何かに集中したときが現実である。
想像力
独自な<構造とパターン>に関する理論や発見は滅多にない。
如何に既成の<構造とパターン>から自由になれないかを表している。
しかし、この現実は<構造とパターン>は
自然の観察から発見されるよりも
人間の想像力が先行して生成する事実と矛盾しない。
自らの想像力から自由になることが
もっとも困難な想像力だからだ。
デザインの目的
科学者は原理に接近する理論を作り
芸術家は美の形式を作り出す行為に集中する。
デザインするという究極の行為は
われわれの思考形式によって
宇宙のデザインを発見するという
矛盾した段階に至るのである。
そして、その非人格的なデザインの目的意識に気づくのである。
他人の思考
何かに心酔することは身を委ねる行為である。
熱狂的模倣は知を愛する代理行為でもない。
心酔や熱狂は他人の思考の巧みな変容形態である。
種々の変容形態が絶えず選択できる思考停止の時代に生きている。
思考停止こそ、新たな消費形態の不変的な根源であるから。
思考する手
フォトショップが絵を描く才能を機敏に反映しより拡張したように
プロダクト革命にとって<手>は
思考する最初の精緻な3DMAKERである。
手は、3次元の軌跡を描いていく
船の舵を取るようにデザインされている。
手は原初的でありながら
3次元の最適なサイバネティクス(cybernetics)である。
現在の3Dプリンターが
<思考する手>を複製する機能であるかぎり
プロダクト革命を連鎖的に引き起こす新たな道具類は
ますますこの<思考する手>に依存するだろう。
